図表44同書より 拡大画像表示

 図表44の(b)図の丸印はプライズ(1)と(2)の重心位置を表し、山と谷を転がって落とし口(O)に移動するイメージです。なお、落とし口が一番低いポテンシャルです。

 プライズ(1)は、フィールド上Aにちょこっと載っている状態です。Aの位置で静止していますが、ほんのちょっとUFOメカで触った途端、落とし口に転がり落ちてプライズゲットとなるかもしれない状態です。

 でも触るところを間違えると、落とし口とは反対に落ち、そこでより安定した状態になるかもしれません。これは、(b)図で、プライズ(1)の丸印(重心)がポテンシャルの谷Bに落ち込んだ状態になります。

 この状態から落とし口に移動させるには、ポテンシャルの山Aを越えるくらいにUFOメカのアームで引っ張り上げなければいけません。この山Aを越えなければ、プライズ(1)の丸印は、最も低いポテンシャルに辿り着けず、プライズ(1)のゲットになりません。これは難しい状況ですね。

 さらに落とし口から遠い位置にある、Cの位置のプライズ(2)もゲットしたい場合、どうしましょう。アームの閉じる力が強ければ1回でポテンシャルの谷Bや山Aを越えて、最も低い落とし口に落とすことができるかもしれません。しかしプライズ(2)を抱えたUFOメカの移動時の揺れで、プライズが谷Bや谷Dに落ちてしまうリスクもあります。

 また、アームの閉じる力が弱ければ、なんらかの作用で(プライズを抱えきれず)アームが開いて、プライズ(2)を谷Bに落としてしまうリスクもあります。そうなると、何度かプレイを繰り返して落とし口に移動させるしかありません。

 一旦ポテンシャルの谷Bに移動させ、ポテンシャルの山Aをなんとか越えて、最も低い落とし口に落として、プライズゲットをする方法です。クレーンゲームは、やはりプライズの重心をどのように移動させるかを考える物理ですね。

山積み設定に有効な技
「ナイアガラ落とし」

 第2次マイブーム時代の私のノートには、ゲーセンからもらったチラシがスクラップされています。そこには、図表44(a)のような山積み状態のプライズをゲットするのに適しているクレーンゲームの「技」が紹介されていました。その名は「ナイアガラ落とし」です。