チラシには「景品そのものより、どの(景品山積みの)ポイントにアームを落とすと、一番崩れやすいのかを見定めることが重要」と書いてありました。私からすれば、この技はナイアガラと言うより、UFOメカを使ってたくさんのプライズを一気に落とし口に落とす“雪崩”のイメージにより近いです。

図表44同書より 拡大画像表示

 この落とし技を図表44(a)(b)で説明すると、プライズ(1)や(2)だけでなく、フィールド上にあるほかのぬいぐるみも含めて多くのプライズを一気に動かすことで、図表44(b)で示したポテンシャルの山も谷も崩して、ポテンシャルの最も低い落とし口にプライズを落とす、ということです。

 この作戦はUFOメカがかなり重かったり、アームの閉じる力がかなり強い場合には可能かもしれませんが、2024年現在、そのような設定のクレーンゲームがあるのかどうか……。

 少なくとも私が住む鹿児島市内では、ぬいぐるみに対して「ナイアガラ落とし」ができるような設定のクレーンゲームは見かけません。「小さなぬいぐるみも、1個1個、地道に取ってね」という、ゲーセンの願いがわかるような設定ばかりです。

「ナイアガラ落とし」の瞬間
押し寄せる3度の喜び

 そんな中で、2023年頃に鹿児島市内のあるゲーセンで面白いクレーンゲーム機を発見しました!

 小袋に入ったお菓子がたくさん山積みされており、3本アームのコイルメカ(図表44のメカ)が横一列に10個も付いているゲーム機です。この10個のメカは、正面から見たときに、手前側に横一列に整列して設置されています(まるで暖簾のようにも見えます)。

 10個並んだメカは同時に動き、手前側から奥方向への移動が可能です。奥方向でアームを広げ下降すると、その後は上昇し、手前側に戻ってきます。落とし口はゲーム機の手前側に広く作られています。

 このゲーム機で小袋に入ったお菓子の山積みを見ると、私は「ナイアガラ落とし」をやってみたくなり、つい100円硬貨を投入してしまいます。

 狙うポイントは、できるだけ落とし口に近くてポテンシャルが崩れやすそうな位置です。そこに10個の3本アームのコイルメカを下降させると、まず雪崩の前兆のように、お菓子がちょこちょこと転がって、数個落ちてきます。これが1度目の喜び。