米大統領執務室が中東問題の対応ばかりに追われていた6カ月を経て、ホワイトハウスは今週、インド太平洋地域に軸足を移しつつある。日本の岸田文雄首相が首脳会談と国賓を迎える夕食会のために到着した。11日には、ジョー・バイデン大統領と岸田首相の2人にフィリピンのフェルディナンド・マルコス・ジュニア大統領も加わって、同国に対する中国の軍事的脅威の高まりに関して話し合う。積極姿勢を強める日本と安全保障関係を強化することは米国の戦略の核心だが、チームバイデンのアプローチが持つ潜在力と、はまる可能性のある落とし穴の両方を示している。中国が国力を拡大させ、鄧小平時代の「平和的台頭」政策から脱却する中で、日本政府は中国政府の野望を、自国の安全保障や独立に対する直接的でますます差し迫った脅威と見なしている。中国が台湾を強制的に中国本土に統合し、南シナ海で全面的な領有権の主張を通した場合、中国は日本の対外貿易を制限できるようになる。こうした脅威は、中国とロシアが連携を強化することで一段と強まっている。日本は防衛費の増額や、米国との安全保障関係の強化、フィリピンのような近隣諸国との軍事的協力・関与の拡大によって、この脅威に対応している。