――つみたて投資枠では月10万円まで非課税で投資できますが、積立金額を月3万円に抑えている理由を教えてください。

 現在、相場がだいぶ上がっていることもあって、取りあえずは月3万円で様子見をしている状態です。

 ただ、ここで強く言っておきたいのは、「せっかくの非課税枠なのだから使い切らないと損」という考え方は危険だということ。

 投資枠を埋めるためだけに、無理して積立金額を大きくしたり、欲しくない銘柄に妥協して投資したりするのは、本末転倒です。

――なるほど。それでは成長投資枠の活用はどうされていますか。

 成長投資枠では、個別銘柄のスポット買いに充てており、応援したい企業の銘柄を厳選して買っています。具体的に現在保有しているのはマンダムとカシオ計算機です。どちらも私にとっては非常に身近で関心のある企業で、一生保有したいなと思える銘柄です。

旧NISAでは無理に枠を埋めようとして失敗

――個別銘柄を選ぶ上で他に重視しているポイントはありますか。

 新NISAで購入する銘柄は長期での保有を考えているため、配当利回りは重視しています。

 具体的な配当利回りの目安は3%で、マンダムとカシオ計算機は両方ともその目安をクリアしており、将来的にも大きな減配はないと考えています。

 また、長期保有の場合には企業の将来性も重要なポイントとなります。将来性を測る指標はさまざまですが、私の場合は海外の売上比率に注目しており、マンダムはインドネシアなどの売上比率が高く、東南アジアの成長性を取り込めることを期待しています。カシオも海外の売上比率が80%弱と非常に高く、世界的に人気が確立しているジーショックのような商品があることも大きな強みです。

 かくいう私自身も、旧NISAのときに、年間の120万円の枠を埋めようと欲しくない銘柄を無理やり買って、後悔したことがありました。「使わないと損」はついつい陥りがちな考えですが、投資判断を曇らせる原因になるため、注意してください。