投資スクール所長・坂本氏はつみたて投資枠は利用せず、成長投資枠一択の上級者向け攻めの投資

ミドル&シニアのための“超王道”投資術第4回「3人の投資賢者が教える、新NISAで買った銘柄とその戦略」坂本慎太郎 氏
こころトレード研究所所長。通称・Bコミと呼ばれる。証券会社のディーラー、生命保険会社のファンドマネジャーの経験を生かして、個人投資家として活動。誰もが「勝てる投資家」になれるよう、日々、メディア出演、寄稿、講演などで日本中を駆け回っている。

――株式トレードスクール「こころトレード研究所」の所長を務め、個人投資家として「Bコミ」のハンドルネームでも知られる坂本氏ですが、ご自身の新NISAの活用方法について教えてください。

 つみたて投資枠は利用していません。つみたて投資枠では購入できる商品が限られているため、自分の理想とするアセットアロケーションを組めないからです。つみたて投資枠の対象商品の要件には「主たる投資の対象資産に株式を含むこと」という項目があるため、債券やREITのみを投資対象とするファンドを購入することができません。

 バランスファンドを購入することで債券やREITへの投資も可能ですが、つみたて投資枠で購入できるバランスファンドで惹かれるものはありませんし、自分の手でアセットアロケーションをつくれないと投資の面白みも半減してしまいます。そのため、今後どうするかは検討中ですが、現在のところつみたて投資枠の利用は考えていません。

――投資のプロとしてご自身で割り当てをしたいという思いから、現在は成長投資枠一択なんですね。

 はい。なので新NISAでは、成長投資枠で個別銘柄への投資を行っています。具体的にはプレミアムウォーターホールディングス1社に集中投資していて、過度な株価上昇がなければ、将来的には投資枠である1200万円全額をプレミアムウォーターに投資する予定です。

 プレミアムウォーターは現在の業績も好調ですし、今後大きく伸びることを予想しています。また配当利回りも2.39%(2024年3月予想)です。

 キャピタルゲイン(株式の値上がりによる利得)とインカムゲイン(金融商品を保有していることで得られる利益。株式の配当金、投資信託の分配金など)の両方を取れる銘柄ということで期待しています。

老後の資産も計算し、成長投資枠で狙いたいのは高配当株投資

――成長投資枠で個別銘柄を購入したい投資初心者に対して、何かアドバイスはありますか。

 キャピタルゲインを狙いにいく場合には、きちんとした投資知識が必須となりますし、新NISAのような長期投資は不向きです。

 そのため、投資初心者の場合は、インカムゲイン狙いで高配当銘柄を選ぶことが基本となります。また、海外の景気や為替の変動に影響される傾向が強い外需株もお薦めできません。そこでお薦めしたいのが、内需株かつ配当利回りが高く長期で安定している銘柄です。

 新NISAは期間が無期限なので、高配当銘柄への投資によって老後も配当金をもらい続けることができます。「始める時期が遅いと駄目」なんてことは全くないですから、特に50代の方は基本的にインカム投資をすべきだと思っています。

――配当金が老後の生活資金にもなるわけですね。

 新NISAはあらかじめゴールを定めることが大切です。65歳のリタイア後にどの程度のお金が不足するのかを計算しておき、不足分を配当金で賄えるようなポートフォリオを現役時代のうちに形成しておけば、老後生活も安心ですよ。

いかがでしたか。ファイナンシャル・プランナー、投資系YouTuber、個人投資家と、立場が違う投資賢者3人の新NISAの活用法は、まさに三者三様。こちらはあくまでも個人のスタンスではありますが、これからの資産形成のヒントにしたいですね。