
国内鉄鋼業界は、中国勢の攻勢などで苦境にあえぎながらも賃上げを続けてきた。では、実際の年収はどれくらい上がっているのだろうか。日本製鉄、JFEホールディングス、神戸製鋼所の3社について、直近2年度の平均年収から「賃上げ率」を算出したところ、「意外な序列」が判明した。特集『25年 給料ランキング』の本稿では、鉄鋼業界3社の平均年収と賃上げ率を大公開する。(ダイヤモンド編集部 今枝翔太郎)
未曽有の苦境が続く鉄鋼業界だが
賃金アップの勢いは緩めず
鉄鋼業界で未曽有の苦境が続いている。人口減少で国内市場縮小が不可避な上、中国大手メーカーの安値攻勢にさらされ続けているのだ。これに鉄鋼や自動車へのトランプ関税が追い打ちをかけ、今後の事業環境を予測不可能にしている。
しかし、そんな中にあっても、国内鉄鋼各社は春闘で大胆なベースアップを実現している(下表参照)。
では、実際の年収はどう変わっているのか。今年6月に米USスチールを約2兆円で買収した日本製鉄の社員が、どれくらいの給料をもらっているのかも気になるところだ(日鉄のUSスチール買収については、『日本製鉄のUSスチール買収は完全子会社化で決着!3.6兆円ディールに日鉄が支払う「代償」とは?』参照)。
ダイヤモンド編集部は、日鉄、JFEホールディングス(HD)、神戸製鋼所の3社について、直近2年度の平均年収から「賃上げ率」を算出した。すると、賃上げ率では「意外な序列」となっていることが判明した。1位はいったいどこだろうか。
次ページでは、鉄鋼業界3社の平均年収と賃上げ率を明らかにし、各社の人材獲得力を徹底分析する。