朝、一緒に駅まで行く
奇跡のような時間
駅まで一緒に行きたい。朝出かけるとき、子どもから声をかけられることがあります。子どもたちの通う小学校と、私が普段利用している駅は近くにあるので、途中まで一緒に歩いて行こうという提案です。
私は朝型なので、オフィスに行く日の朝は早く出ることが多いですし、駅までは基本的に自転車で向かいます。タイミングが合わず「ごめん今日は無理だ」と伝えることも少なくないのですが、冷静に考えると、子どもと一緒に通勤・通学できるのは奇跡みたいな話です。
保育園の時期は「一緒に行く」というよりは送迎ですし、逆に中学生になればもう、一緒に行きたいなんてなかなか言ってくれない。さらに天気が良い日であることや、親子が同じ時間帯に出発する日であることなど条件を考えると、チャンスはとても限られていることに気づきます。

西村 琢 著
そうとなれば、楽しまなくては。そう思い編み出したのが自転車に乗る私が彼のカバンを持ち、彼は手ぶらで走るというスタイルです。私としては乗りたい電車の時刻があって、帰りはそのままプールにも行きたいから自転車は譲れない。でも小学生の通学は徒歩……という条件をクリアするアイデアです。自転車のスピードをゆるめて、ジョギングみたいにゆっくり走ればお話することもできます。
今は主に、次男と朝一緒に家を出てこのスタイルで駅・学校に向かうことが多いです。走りながらのお喋りなので他愛もない話が多めですが、すこし息を切らしながらケラケラ笑って自転車についてくる彼の姿が大好きです。たったの5分ですが、本当に奇跡みたいな時間だと思います。