「幼児期の環境は子どもの一生を左右する」。そう語るのは、日米で学習塾を経営し25年間で延べ5000名以上のバイリンガルを育成しているTLC for Kids代表の船津徹氏。本「こんなにも具体的で内容が詰まっているものは初めて!」「目からウロコ」と子育て世代に話題の新刊『「強み」を生み出す育て方』の中から、25年間の塾経営でたどり着いた【幼児期の子どもの伸ばし方】をお届けする。
天才かも!?→モンテッソーリ教育を検討しよう
「ウチの子、天才かも!?」幼児期のわが子を見てそう思ったら、【子どもを取り巻く環境】がポイントです。
天才には「生まれつきの天才(ギフテッド)」と「後天的な天才」の2通りがあるとお伝えしました(詳細は『「神童だったのに…」幼児期の天才が成長するにつれ「普通」になる納得の理由』を参照)。
「後天的な天才」は、適切な教育を継続していかないと能力が伸び止まることがあります。
そこで紹介したいのが、近年日本で人気が出てきた「モンテッソーリ教育」です。
これは20世紀初頭にイタリア人医師であるマリア・モンテッソーリによって考案された教育法で、「子どもの自主性(やる気)を尊重し、教師はサポートに徹する」というのが基本的な教育方針です。
子どもの好奇心を刺激する環境(数的、言語的、音楽的、芸術的、文化的な環境)を園内に整えることで、子どもが自発的な「やる気」で学習に向かい合う力を育てます。子どもは自分が好きな分野の教具や玩具で、好きなだけ遊ぶことができます。
各学習分野の時間割が決まっていて、同じクラスルームで、園児全員が一斉に同じ内容を学ぶ「一斉教育」とは一線を画する教育スタイルであり、特定分野で突出した能力を発揮する天才気質の子どもにとっては居心地が良い環境であるといえます。
また、モンテッソーリを実践する保育園や幼稚園は、年齢を交ぜた「縦割りクラス編成」を実施しており、精神的成熟度が高い天才気質の子どもにとって知的好奇心が満たされやすい環境(年上の友だちと交友できる)でもあります。
欧米ではモンテッソーリスクールは幼稚園から小学校までの一貫教育を行う学校が多いですが、日本では「保育園・幼稚園」がほとんどで、小学校で実践している学校はわずかです。モンテッソーリ教育が受けられる保育園・幼稚園は全国にありますので、興味のある方はインターネットで検索してみてください。
モンテッソーリと似たコンセプトに「自由保育」があります。自由保育も子どもの自主性を伸ばすことが目的ですが、「何から何まで完全に自由」という環境もあるようなので注意が必要です。天才気質の子どもは、しつけや社会性面の育成については一定のルールが存在する環境が最も安心でき、適応しやすいからです。
天才気質の子どもにとって理想の保育園・幼稚園は、興味あることについて追求できる環境があることです。もし通園可能な範囲に理想の保育園・幼稚園がないという場合は、家庭や習い事で自信とやる気を伸ばす環境作りを実践してください。
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子育て成功のカギは「強み育て」にある
子どもが社会の変化に翻弄されずに、自分らしく幸せに生きていくには、失敗や挫折に負けない「たくましさ」を確立しなければなりません。一生ものの武器になるたくましさですが、どのように育てれば良いのでしょうか?
たくましさが育つ要因は、家柄、血筋、遺伝ではありません。もちろん親の学歴や職業も無関係です。「子どもの潜在的な強みを引き出すこと」でたくましさは育つと断言できます。
つまり、子育てで最優先すべきは「強み育て」なのです。強みは、音楽でもスポーツでも勉強でも、なんでもいいのですが、習い事は強みを育てる最高のチャンスになります!だから習い事選びは「子育て成功」に直結するのです。