5月29日、共産党の大山とも子都議団長から花束を受け取る蓮舫参議院議員5月29日、共産党の大山とも子都議団長から花束を受け取る蓮舫参議院議員 Photo:SANKEI

東京都知事選に立候補する意向を表明した立憲民主党の蓮舫参院議員。「反自民政治、非小池都政」を掲げて小池氏への対決姿勢を強めている。一方で、蓮舫氏に対して批判的な意見を持つ人も多い。蓮舫氏の言い分は正しいのか。(イトモス研究所所長 小倉健一)

「攻撃してばっか」「もうウンザリ」
SNSでも蓮舫氏への批判は多い

「蓮舫さんがすごい攻撃的でシンプルに怖い。ニュースを見てても、公約みたいなのが具体的にわからない。攻撃してばっか」――こう語るのは、お笑いコンビ「三四郎」の小宮浩信氏だ。

『ワイドナショー』(6月2日、フジテレビ系)に出演した際、タレントの眞鍋かをり氏の「蓮舫さんが出てきたことによって、国政の構図がそのまま都知事選にも流れてきちゃっているような感覚になって。都民としては選挙に対してのテンションがあんまり上がらないというか。/自民党の裏金問題があって、野党が『ワ~』って言うけど、別に文句しか言ってないみたいなのが、もうウンザリって思っているところに、都知事選でもそうなるのか、みたいな。蓮舫さんがいることによって、その構図でやらなきゃいけないのかな」という発言を受けて、こう語っている。

 検索すると、XなどのSNSでも同じように蓮舫氏の態度に対して批判的な意見を持つ人は多い。彼らのプロフィルを確認しても、特に右派だから蓮舫氏を批判しているようでもなさそうだ。

共産党とがっつり組んだ
蓮舫氏の狙い

 都知事選で立候補を表明すると、真っ先に蓮舫氏が駆けつけたのが都議会の日本共産党の控室だ。共産党議員から万雷の拍手で迎えられた蓮舫氏、その模様を共産党機関紙「しんぶん赤旗」(5月30日)では、以下のように伝えている。

<『住みやすい東京 一緒につくろう 蓮舫氏、共産党都議団を訪問』
(写真)花束を受け取り、大山とも子・日本共産党都議団長と握手を交わす蓮舫参院議員=29日、都庁
 東京都知事選(6月20日告示、7月7日投開票)への立候補を表明した立憲民主党の蓮舫参院議員が29日、都議会の野党系各会派の控室を訪問しました。日本共産党の控室では大山とも子都議団長らが出迎えました。
 蓮舫氏は「立候補を決めた。ぜひ一緒に、住みやすい、暮らしやすい、明るいあたたかな東京をつくらせていただきたい」とあいさつ。大山氏から花束を受け取ると、都議らから拍手と歓声が上がりました。>

 こんな蓮舫氏の行動を、自民党中堅議員はこう分析してくれた。

「立憲民主党の手塚仁雄衆院議員によるものとされる情勢調査で、小池百合子氏に10ポイント差であったことから、出馬を決めたようです。4年前は、トリプルスコア(3倍差)でしたから、追い上げムードがあったのだと思います。次の衆院選狙いの『記念受験』とみる向きもありますが、だったら真剣に共産党と組もうとせず、自分だけを売り出しに行けば良かったはず。共産党とがっつり組むということは本気で都知事選に勝とうとしたのだと思います、最初の段階では……」

 しかし、今、起きていることは、無党派層の離反だろう。東京都知事選挙は、当選者が一人の、小選挙区と同じ仕組みだ。右や左などの強い支持よりも、無党派層の取り込みに勝利した候補者が勝つ。