大谷翔平選手が使っているマットレスが一部で話題だが、アスリートならずとも現代人につきまとう悩みのひとつが「睡眠の質」だろう。より良い目覚めと疲労感の解消を目指し、多くの人が睡眠の質向上を目指す。睡眠と切っても切れないのが、どんな場所に横たわるかであり、自ずとマットレスの開発は進んでいく。マットレスの最新事情はどうなっているのだろうか。(フリーライター 武藤弘樹)
圧倒的多数が睡眠に不満
「今どきマットレス」にかかる期待
あるアンケートによれば、睡眠に不満を感じている人の割合は実に94%にのぼるそうで、快眠のために何かしらの工夫を行っている人は85%となった。また、「睡眠改善のために購入したことがあるもの(複数選択可)」では枕が55%、敷布団・マットレスが41.5%となった。
【参考】PR TIMES 第11回 睡眠に関する調査 結果発表! フジ医療器
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000039.000065996.html
たしかに、まだ寝ていたいのに起きなければならない起床の瞬間はたいてい嫌なもので、それを思うと「94%」なる圧倒的な数字も頷ける。
せめて最高の睡眠を取ることができていれば、さわやかな気持ちで起床を迎えられるかもしれないが、そううまくはいかない。そこで現代では、良質な睡眠を得るべく様々な角度から研究が行われていて、マットレスの進化もその一環である。
そして、その進化の方向がいくつかに枝分かれしていて面白い。この記事では、2024年度版マットレスの最新事情を伝えていく。
高級マットレスに見る「王道」
単なる高級素材のゴリ押しではない
マットレスは寝心地を良くするために用いられる寝具である。「いびきを軽減する」といった特徴的な指向を持つものもあるが、基本的には「寝心地の良さの追求」がその存在意義である。
マットレス、その進化の王道・正道は高級マットレスであろうか。まずは、話としては地味だが高級マットレスについて触れておきたい。