ますます過熱する中学受験。子どもを本当に伸ばしてくれる志望校の見極め方や選び方、その志望校に合格するための効果的な「過去問対策」をやり方を、大人気プロ家庭教師の安浪京子先生が詳細に説明した『中学受験 大逆転の志望校選びと過去問対策 令和最新版』が発売に。本書より抜粋して、そのノウハウの一部をご紹介する。

【カリスマ家庭教師が教える中学受験】学校の「ナマの姿」を知るために必ずチェックしたい3つのポイントPhoto: Adobe Stock

学園祭や学校説明会に行けない時のチェックポイント

 学校のナマの姿を知るには、学園祭や学校説明会が一番ですが、足を運べる学校には限界があります。そんな時にチェックしておくといいポイントをお伝えします。

学校のホームページにはカラーが色濃く表れる

 まずは、学校のホームページです。ここには学校のカラーが色濃く表れます。
基本的に多くの学校がホームページ作成を専門業者に外注していますが、トップページが校舎やイメージアイコンだけなのか、生徒たちの姿も映っているのかで、その学校が“何を”大切にしているかがわかります。ホームページに学校の想いを込め、伝えたいと思っているならばいかにも業者に“丸投げ”といったものにはなりません。

 また、キリスト教系の学校の場合、宗教教育がどれだけ熱心に行われているかは、ホームページを見るとかなりわかります。チャペルや十字架の写真が多く使用されていたり、生徒がお祈りを捧げている写真がトップに来ている場合は、それだけ宗教教育を重要視していることが予測できます。

 例えばカトリック校の「白百合学園(東京都)」。トップ画面にもマリア様の像があり、「今週の聖句」が毎週紹介されています。実際にこの学校では、毎朝聖歌を歌い、お祈りをし、聖書の朗読が行われています。情操教育にも力を入れているため、そこに魅力を感じる親御さんも多い学校です。

 また、「武蔵(東京都)」のホームページはなんと日本語とは別に5ヶ国語対応です。世界に開かれた学校でありたいという意思が、ここからも感じられます。海外の大学への進学がすでに念頭にあるお子さんであれば、ホームページを見ただけで武蔵が気に入るかもしれません。

風紀が乱れているかは登校風景でわかる

 学校がきちんとしているか乱れているかは登校風景でもわかります。下校時は皆帰宅時間がバラバラなのでわかりにくいですが、登校時は一斉に生徒が押し寄せます。

 学校の理念が行き届いている学校は登校時でも乱れませんが、行き届いていない学校は、学校が近づくと、女の子が慌てて髪の毛を結びだしたり、違うバッグに中味を入れ替えたり、といったことを始めます。

 以前、まだ幼かった息子をバギーに乗せて、有栖川宮記念公園横の細い歩道を歩いていると、前方に道いっぱいに広がった帰宅途中の麻布生の集団がゆっくり歩いていました。

「うわ、邪魔だな」「道いっぱいに広がらないでよ」と心の中で思っていると、私に気づいた一人が「おーい、みんな端に寄れ」と声をかけ、すぐに一列に。「さすが麻布生! きちんとしているところはきちんとしている!」と一気にファンになりました。

事務局の対応は学校全体を映し出す

「出前授業」というイベントで、過去に50校ほどの小学校を回ったことがあります。その時にしみじみ感じたのが、事務局の対応がいい学校というのは、おしなべていい学校である、ということでした。

 インターフォンを押すと、すぐに事務局の方が出てきて「お話は聞いています」と校長室に通してくださり、校長自ら挨拶をしてくれる。そして教室へ案内、といったことがスムーズに行われます。このような学校では生徒たちも元気で、「こんにちは!」とたくさん挨拶してくれ、トイレも綺麗でした。

 一方で、誰もまともに対応してくれない学校というのもありました。事務局は、外と接する学校の窓口ですから、その対応の良し悪しは学校全体の姿勢を映し出すものだと感じています。

 事務局の対応は、実際に訪れなくても電話だけでもある程度わかります。
事務局の対応が粗末だが内部の先生は崇高な理念を語る、あるいはその逆のパターンも要注意。学校内で価値観がバラバラで、教職員に理念が浸透しておらず、担当者によって言うことが異なる恐れがあります。

学校説明会などが終わっていても、連絡すれば個別に案内してくれる学校もあります。

「湘南白百合(神奈川県)」を受験する関西在住の子のお母様が連絡したところ、平日に先生が非常に丁寧に校内を案内してくれたそうです。
 また、ある学校では、車椅子での受験を問い合わせた時に校長からOKをもらえたので志望校として頑張っていたのに、再度事務局に問い合わせるとNOとの対応。最終的に校長から「引き受けられない」と返答があり、志望校から外さざるを得ないという事がありました。もはやお話になりません。

 興味のある学校には、ホームページやパンフレットを見るだけでなく、手間を惜しまず出向くなり電話をすることで、このように学校の様々な素顔に触れることができます。

*本記事は、『中学受験 大逆転の志望校選びと過去問対策 令和最新版』(安浪京子著・ダイヤモンド社刊)から抜粋・編集して作成したものです。