気付いていないかもしれないので、ここで注意喚起しておくが、中国は今週、アジアにおける米国の重要な友人に対し、海上での嫌がらせを強めた。その友人とは台湾のことではない。フィリピン海軍との今回の小競り合いは、この地域での中国政府の野望の対象が一つの島にとどまらないことを改めて浮き彫りにした。南シナ海のセカンド・トーマス礁の前哨基地に物資を補給しようとしていたフィリピンの船2隻が17日、中国の複数の船舶による妨害を受けた。フィリピンは自国の排他的経済水域(EEZ)内にある同礁に第2次世界大戦時の艦船を座礁させ、それを軍事施設として利用している。フィリピン当局によれば、補給に向かった同国のゴムボートと中国海警局の船が小競り合いを起こし、中国側がナイフややりを使って攻撃したため、フィリピン人乗組員1人が親指を失うけがをした。フィリピン軍参謀総長のロメオ・ブラウナー・ジュニア大将はこの出来事を「海賊行為」と非難した。これは中国・フィリピン間の長期にわたる領有権争いで起きた衝突の中でも、特に深刻なものだ。