イラン、仏とも第1回投票結果は政権交代含み
「政変の年」を地で行く「選挙イヤー」
6月28日にはイラン大統領選挙が、30日にはフランス国民議会選挙(下院選)の第1回投票がそれぞれ行われた。
イラン大統領選挙は現職のライシ大統領が5月19日にヘリコプター事故で死亡したことに伴う選挙だ。一方、仏下院選挙は6月上旬に実施された欧州議会選挙で、フランスのマクロン大統領が率いる「再生:Renaissance」(旧名:共和国前進)などが中核となっている「欧州刷新:Renew」らの与党連合がマリーヌ・ル・ペン氏率いる極右の「国民連合:RN」に大敗を喫したことに起因する。
マクロン大統領が、極右勢力のこれ以上の伸長を封じる狙いで任期を3年残して下院を解散、総選挙が行われることになった。
だがイラン大統領選挙では保守派有利の予想に反し、改革派のペゼシュキアン氏が第1位となり、仏下院選挙では国民連合が大幅議席増で第1党に躍り出た。
2024年は世界的に「選挙イヤー」であり、人類史上最多の有権者が投票を行う見通しだが、先のインド総選挙ではモディ首相の属するインド人民党が過半数割れ。年初の予定表にはなかったイラン大統領選挙と仏下院選挙でも、既存体制が大きく揺らぐ状況になった。
7月4日に予定される英国総選挙でも野党・労働党の有利が予想され、秋の米大統領選挙でも「もしトラ」が現実味を帯びる。
辰年は「政変の年」とされるが、それを地で行くような波乱の展開だ。