米金利高・余剰貯蓄急減でも「個人消費好調」の理由、鍵握る可処分所得の伸びは続かないPhoto:Spencer Platt/gettyimages

6月FOMC、利下げ見通し「年内1回」に変更
米経済は金利ピーク後に成長加速?

 米国経済は、2022年以来累計525ベーシスポイント(BP)もの急速な利上げにもかかわらず、堅調な推移を継続している。現在の政策金利は5.375%と、前回引き締め局面のピークである18年の3.125%を大きく上回る水準まで引き上げられている。それにもかかわらず、実質成長率で見るとむしろ政策金利がピークに達した昨年後半から一段強さを増したようにみえる。

 この昨年後半からのピックアップをけん引したのは個人消費だ。

 FRB(米連邦準備制度理事会)は6月FOMC(米連邦公開市場委員会)で7会合連続の政策金利据え置きを決め、FOMC参加者のFF金利見通し(中央値)は年内に1回利下げと、従来の年内3回利下げから変更され、市場の利下げ観測は後退した感じだ。

 この個人消費の加速を眺めて、金利上昇が効かない理由があれこれ取り沙汰されているが、コロナパンデミック以降の個人消費の動向を通観してみると、筆者にはその動き方はかなりシンプルにみえる。

 それをベースに考えると、少なくとも昨年後半からの年率3%台という驚くようなペースの個人消費の伸びがこの先も継続することはなさそうに思われる。