40歳・50歳・60歳から一発逆転! 稼げる資格#5Photo:PIXTA

今年4月、これまで民間資格だった外国人留学生に日本語を教える日本語教師が、「登録日本語教員」という国家資格に“昇格”した。定年後のセカンドキャリアや子育てが一段落した主婦の副業など、稼げてやりがいもある日本語教師を目指す中高年が爆増している。特集『40歳・50歳・60歳から一発逆転! 稼げる資格』(全17回)の#5では、にわかに注目を浴びる日本語教師に迫る。(ダイヤモンド編集部 宮原啓彰)

人手不足を埋める「特定技能」外国人
今後5年の受け入れ枠を82万人に拡大

 今年4月、民間資格から国家資格へ格上げされた資格がある。外国人留学生などに日本語を教える日本語教師(正式名称「登録日本語教員」)だ。“昇格”の背景には、まず日本語を学ぶ外国人が増加するのに対し、日本語教師の数が伸び悩んでいることがある。

 そして政府は3月、人手不足が深刻な業種で一定の専門性・技能を持つ外国人材を受け入れる在留資格「特定技能」について、2024~28年度の5年間の受け入れ枠を82万人とし、過去5年間の2.4倍に拡大させることを決めた。また、より熟練の技能を持ち、事実上の永住と家族帯同ができる「特定技能2号」の対象業種も拡大したことで、日本に住む外国人の数は今後、より急速に増えていくことが確実視されている。

 そんな急増する外国人が日本社会でつつがなく暮らしていくために、国策として日本語教師の国家資格化を通して地位向上を図り、質と量を確保することが不可欠というわけだ。

 そして今、この国家資格化を追い風に日本語教師を目指す中高年や主婦・主夫が爆増している。日本語教師養成講座の最大手、ヒューマンアカデミーにおける同講座受講生数の年代別の伸び率を見ると、40代以降の中高年を中心に過去3年で1.5~2倍ほどに伸びている。同社の講座では「キャリアコンサルタント」を抑えて、50~60代の一番人気だ。

 ヒューマンアカデミー商品企画室の横山可奈恵氏は、「50代以降の受講者は定年後のセカンドキャリアを見据えた人が多く、40代では特に子育てが一段落した主婦が多い」と話す。

 次ページでは、なぜ日本語教師がこれほど中高年や主婦・主夫の人気を集めているのかを明らかにする。また、要求される「英語力」の他、資格取得後の働き方と給与、そして日本語教師と相乗効果がある他の資格を明らかにする。