誤解ポイント1
「遺族年金は一律5年間の有期給付になる」

 正しくは、遺族厚生年金が有期給付となるのは、子どものいない妻、または夫。現行の「夫を亡くした妻のうち、子どものいない30歳未満の妻は5年間だけ受け取れる」の仕組みを、60歳未満の人を対象に男女ともに取り入れる案だ。

 18歳以下の子どもがいる人は、5年間の有期給付になるわけではない。Xなどを見ていると、「小さい子どもがいるのに5年で打ち切りとはどういうことか!」と書き込んでいる人がいるが、これは間違いだ。

誤解ポイント2
「遺族年金が5年間で打ち切られたら、高齢者は暮らしていけない」

 60歳以上で配偶者と死別した人は、現行制度が維持されるのでご安心を。これまで通り、子どもがいる、いないに関わらず、遺族厚生年金を生涯受給できる。

誤解ポイント3
「30~50代は改正案が通ったらすぐに“5年間”で遺族年金が打ち切り」

 これも間違い。これまで遺族厚生年金がもらえなかった男性については改正案が施行されたらすみやかに5年間の受給となるが、女性については数十年の経過措置期間を設けて、段階的に実施していく。

 例えば、改正案施行の年は女性の5年間の有期給付の対象者を現在の30歳未満から40歳未満に引き上げ、その5年後には45歳未満に引き上げる。さらに5年後は50歳未満を対象とする……といった具合に激変緩和措置を設ける予定だ。すでに受け取っている人は制度改正の対象としないとしている。