介護専門のウェブメディア「阿沐養老」の儲涛氏は、「日本の介護は素晴らしい。しかし、今、新規参入してきている異業種の会社は介護については新人です。日本の介護の良さを理解している人がどのぐらいいるでしょうか。とりあえず日本を含む海外のブランドを掲げれば、他社と差別化ができて、事業の近道になるメリットがあります」と話す。「だからこそ日本の企業は、(日本というブランドだけではなく)しっかりと日本の強みを生かし、目に見える成果を出すことが今後非常に重要になる」と語った。

 つまり、不動産や製造業など他の産業から介護事業に新規参入した中国企業が、他の既存の介護事業者と差別化するために、日本介護事業者と提携し、「日本ブランド」の看板を掲げるケースが増えているのだ。

 ここで重要な問題は、看板だけでなく、内容が伴うかどうかである。そもそも日本の介護の強みは、要介護者の自主性や身体機能の維持を重んじ、権利を尊重するという考え方にある。

 中国で日本の介護の中身を理解せず、とりあえず「日本と組めば格上げ」のように考えている企業が増えれば、返って、日本の介護イメージがマイナスになってしまう恐れがある。日本企業が中国市場で成功するためには、用意周到かつ慎重にビジネスを展開する必要があるだろう。

「日本の介護は素晴らしい。しかし…」急速に高齢化する中国で「日本ブランド」はどこまで通じるのか?