あと2~3年のうちに、
フルEVのディフェンダーを発表する

F:ディフェンダーが素晴らしい体験が得られるクルマであることは理解できました。そんなディフェンダーも、電動化へ向かうのですか? 同じグループであるジャガーは、来年からEVブランドへと大転換しますよね。2030年までには販売する全てのクルマをEVにするという野心的な目標を掲げています。ディフェンダーはどうなるのですか?

M:ジャガーはご指摘の通り、来年からフルEV化していきます。それよりは遅れることになりますが、ディフェンダーもやがてそうなります。これはもう間違いのないことです。電動化は必須なのです。なぜなら法規が世界的にそちらの方向で決まっているからです。例えばイギリス政府は、2035年にガソリン車の新車販売を禁止することを発表しています。好きも嫌いもありません。政府の方針、政府の決定です。我々はその方針に従ってクルマを開発し、生産するのが仕事です。企業の機密事項ですから、正確な年を明かすわけにはいきませんが、そうですね、あと2、3年のうちにディフェンダーのフルEVを発表することになるでしょう。詳細は申し上げられませんが。

F:政府の方針に従い、法律に従い、ですか。

M:はい。難しいのは、グローバルで見ると、実にさまざまな市場があることです。

 国や地域により、それぞれ法規が異なります。我々のプランとしては、なるべく多くのチョイスを残しておきたい。一気に全てを変えてしまうのではなく、なるべく長い期間、ガソリン、ディーゼル、プラグインハイブリッド、そしてもちろんフルEV、と全部の種類を持っている状態を保ち続けたいと思っています。ですがこのプランは実行するのが大変です。マネージが膨大なものになりますから。

F:ディフェンダーはたくさんの国に輸出されていると思いますが、EV圧力と言うのでしょうか、一番「早くEVにしなさい」とプレッシャーを掛けてくる国はどこですか?

M:アメリカです。特にカリフォルニア州。あそこはかなり目標が高く、守れなければ企業が罰金を払わなければいけない規定もあります。中国も厳しいですし、イギリスを始めとする欧州もそう。と、こうして比較すること自体、意味があまりないのです。ワールドワイドで、法規はもうEVに向かって突き進んでいます。ええ、ワールドワイドです。要は時間の問題です。遅かれ早かれ、どこの国もそうなっていくのです。