以前、修一さんのお父様と同じく、子どもからこの言葉を投げかけられたご相談者(80代・女性)は、こんなふうにおっしゃっていた。

「子どもに自分の預貯金の額を知られて、結構持っているじゃないかと、アテにされるのは困るのよ。でも、逆に少ないとガッカリされて、子どもや孫に相手にされなくなるのもさびしい。どっちにしても知られたくないものなの」

 まず、子ども世代には、親世代のこの微妙な心理をくみとっていただきたい。

 修一さんも、子どもを持つ親である。自分の中学生の子どもにいきなり「お父さん、ウチってお金あるの?通帳見せてよ」などと言われて、「はいそうですか。分かりました」と素直に通帳を差し出せるものではないだろう。

 それに、高齢になったからといっても親は親である。さも、子どもに上から目線で、管理してやるといった態度を取られて、自尊心が傷つかないわけがない。

親とお金の話をするときの鉄則
3つの「T」に要注意!

 では、親とお金の話をするときには、どんなことに気をつければ良いのだろうか。

 筆者は、ご相談者には次の3つの「T」に注意するのが鉄則だとお伝えしている。

(1)「単位」
(2)「タイミング」
(3)「タイプ」

 では、順番にご説明しよう。