三つ目の「タイプ」は、親の性格や価値観などに合わせて話をすること。

 親子といえども、一つの対人関係には違いない。親と全く相性や意見が合わず、どう切り出して良いか悩む人もいるだろう。

 そんなときには、親の性格を客観視してタイプ分けするのも一つの方法だ。

 例えば、筆者の80代の母は、年代的に、嫁として夫や義両親を立てて、あまり自分を主張することなく、周囲に合わせるタイプ。子どもには迷惑をかけたくない。きょうだいは仲良くしてほしいと考えている。

 このタイプの親には、「○○さんちが急に入院することになって、お金のこと分からなくて困ったみたいよ」などと、身近な第三者を引き合いに出す。あるいは、「(お父さん・お母さんが)○○してくれると。みんなが安心すると思う」など、優しく感情に訴え、お願いするのが効果的だ。

 話を切り出す際には、「最近、物価がどんどん上がってるよね。生活はどう?」などと何気ない話題から、親の家計や資産状況を探るのも一つである。

 そして、亡くなった父は、母とは真逆のタイプだった。

 自己主張や目立つことはあまり好きではなかったが、高校の物理の教師だったこともあり、感情よりも、論理的で冷静に物事を判断しようと努めていたように思う。

 このタイプの親には、「なんとなく~だから」といった感覚的な言葉で物事を説明するのはNG。

 老後資金や介護資金などの客観的なデータを示しながら、「○○しなかったために、トラブルになった」など、成功例よりも失敗例。メリットよりもデメリットを強調した方が共感を得やすいはずだ。複数の選択肢や代替案を出して、比較検討してもらうのも良い。