部下の“欲のなさ”が不満な管理職
どうやったらやる気が出る?

 モチベーションが高い人物もいれば、低い人物もいる。ある管理職は、部下の欲のなさに不満を感じるという。

「彼は、この部署に来て一カ月でほぼ完璧に仕事を覚えてくれたので、これは頼りになると期待してたんですけど、その後どうもパッとしないんです。安心して仕事を任せられるようにはなったのですが、それ以上に工夫するとか、知識を吸収するとか、そういった意欲がないんです」

 つまり、仕事を任せられる程度に最低限必要なことはできるようになったものの、そこで成長が止まってしまった、というのだ。

「彼の能力からしたら、もっと仕事ができるようになってもいいと思うんです。もっと知識を仕込めば仕事のやり方もいろいろ工夫できるだろうし……それなのに与えられた仕事をこなすだけで……どうも欲がないんです。でも、無理やり課題とか与えるとパワハラと見られるかもしれないし……もったいないんですよね」

 このようなケースでは、モチベーションを刺激する必要がある。潜在的な能力を十分に発揮している人と、十分に発揮できていない人で、決定的に違うのがモチベーションである。

 モチベーションが高い人は、自分にできる限りのことをしようと思い、精いっぱい頑張る。もっとできるようになりたいという思いが強く、仕事力の向上を貪欲(どんよく)に追求する。

 一方、モチベーションが低い人は、最低限必要なことを身につけてしまうと、それ以上できるようになりたいとは思わない。そのため、支障がない範囲内で、「このくらいでいいか」と手を抜いてしまいがちである。

 そこを改善するには、モチベーションを高める必要がある。