米アップルは同社の決済サービス 「アップルペイ」の技術 の一部を他社に開放するという。だがライバルたちはなお、自分たちを選ぶべき理由を消費者に伝える必要がある。
アップルは14日、オーストラリアやブラジル、カナダ、日本、ニュージーランド、英国、米国のアプリ開発者に対し、店頭でのタッチ決済(非接触型決済)などを行うため、アップル製端末に搭載した近距離無線通信(NFC)技術や一部のセキュリティー機能を利用することを間もなく認めると発表した。これは欧州でNFCへのアクセスを他社に提供する動きがあったのに続くものだ。そうなれば、多くの市場の消費者は将来的に、店内レジや地下鉄の自動改札口で自分のiPhone(アイフォーン)をかざし、アップルペイだけでなくそれ以外のウォレットを使った決済ができるようになるかもしれない。
アップルが以前はこれを認めていなかったため、多くのデジタルウォレットはiPhone向けアプリを店頭決済ツールにするためQRコードなどの回避手段に頼っていた。例えば、米電子決済サービスのペイパルは、長らくデジタルオンライン・モバイル決済と店頭決済を隔てる壁を乗り越え、「オムニチャネル」になることを目指してきた。ペイパルのiPhone向けアプリでタッチ決済が可能になれば、その取り組みが大きな転機を迎えるかもしれない。特に店頭デジタル決済をいち早く採り入れた若い消費者はそうだろう。