OEMタイヤとリプレイスタイヤの
「車外騒音」の差とは?

 OEMタイヤはディーラーで購入できるものの、ブランド戦略などの関係で、タイヤショップやカー用品店では取り扱いのない場合があります。一方、リプレイスタイヤは幅広く市販されていますが、ディーラーで取り扱われている種類はかなり少なくなります。 

 ただし車種によっては、メーカー側が汎用的なリプレイスタイヤではなくOEMタイヤへの交換を推奨している場合があります。「メーカーが承認したタイヤ」への交換が推奨されているケースもあります。有名なのはBMWです。

 BMWは「50項目もの厳しい開発基準をクリアしたタイヤ」(公式サイトより)への交換を勧めており、BMWが認めたタイヤはサイドウォールに星印が刻印されています。これらは「スターマーク・タイヤ」と呼ばれています。

 どのメーカーであっても、OEMタイヤを開発する際に大きなウエイトを占めるのが「車外騒音」の低減です。車外騒音とはその名のとおり、クルマが走るときに外で発生する、タイヤと地面がこすれる音などの騒音です。音の大きさには国際的な基準が設けられており、各社はそれをクリアしつつ、求められる動的性能を確保できるよう注力しているのです。

 一方、リプレイスタイヤに関しては厳密な技術基準が設けられているわけではありません。走行時の音が静かなタイヤを「低車外音タイヤ」とラベリングする自主的な取り組みが始まっていますが、静粛性に関してはやはりOEMタイヤに軍配が上がります。 

 とはいえ、OEMタイヤが完璧かというと、必ずしもそうとは限りません。一般的にOEMタイヤはリプレイスタイヤよりも価格が高くなっているので、買い替えのハードルがやや高いのは確かです。

 また、OEMタイヤは新車時の性能に合わせたチューニングが施されているので、車体の経年劣化に伴う「走りの変化」をカバーできない場合もあります。加えて、リプレイスタイヤの中には「特定の性能を際立たせた製品」があり、装着すると乗り味の変化を楽しめるという魅力もあります。