二番底か高値奪還か 最強株で勝つ!#3Photo by Kuninobu Akutsu

金融緩和バブル崩壊でリーマンショックを超える危機に――。8月5日の急落後、日本株はリバウンド基調だが、さわかみ投信の創業者である澤上篤人氏は「バブル崩壊はまだ序の口」と日本株に警鐘を鳴らす。特集『二番底か高値奪還か 最強株で勝つ!』の#3では、投資運用の世界を50年生き抜いてきたカリスマが株バブルの崩壊を予測する三つの根拠と、長期投資家にとっては暴落こそが絶好のチャンスになる理由を解説する。(聞き手/経済ジャーナリスト 大西洋平、ダイヤモンド編集部 篭島裕亮)

8月5日の暴落はあくまで序の口
想像を絶する下落がやって来る

――かねて澤上さんは「暴落がやって来る」と警鐘を鳴らしていました。実際、日経平均株価は8月5日に1987年のブラックマンデー翌日を超える過去最大の下落を記録しました。

澤上篤人・さわかみホールディングス代表取締役さわかみ・あつと/さわかみ投信創業者。1971年から外資系運用会社などでの勤務を経て、80年から96年までピクテ・ジャパン代表を務める。96年にさわかみ投資顧問(現さわかみ投信)を設立。99年に長期保有型の「さわかみファンド」を設定。日本における長期投資のパイオニア。著書多数。 Photo by K.A.

 あの下落はあくまで序の口。想像を絶する本格的な下落局面が、いずれ訪れるはずです。おそらく「リーマンショックをしのぐような強烈な下げ」を記録することになるでしょう。

 空前のカネ余りに加えて、株式市場は生成AIという新ビジネスをもてはやしました。一部の銘柄がとてつもない勢いで高値追いを続けたことで、世界の株式市場は「超の付くバブル」と化しています。実体経済と懸け離れている今の株式市場は、大暴落によって株価が半値になってもおかしくない状態です。

 リーマンショックのときは、国や中央銀行が懸命にマーケットを支えました。GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)のような年金マネーからも買いが入りました。

 しかし、これから訪れる暴落局面では、もはや国も支えることはかなわないでしょう。流れが反転して投げ売りが始まれば、売りが売りを呼ぶ負のスパイラルとなり、すさまじい下げとなったとしても、私はまったく驚きません。

――目先の株式市場は暴落から反発しています。早晩、大暴落が待ち受けている根拠について教えてください。

次ページでは澤上氏が「暴落は必然」と断言する三つの根拠を解説。同時に澤上氏は「暴落は長期投資家には買いのチャンス」だとも助言するが、その真意とは?「狙うべき銘柄群」や「アクティブファンドはインデックスファンドに勝てるのか」などについても直撃した。