二番底か高値奪還か 最強株で勝つ!#2Photo:Bloomberg/gettyimages

ドル円レートがピーク時には1ドル=161円を超えるなど円安局面が続いたことで、直近で想定為替レートを円安方向に修正した企業も多い。だが、7月以降急速に為替は円高にシフトし、海外比率の高い企業にとって業績予想の下振れ要因となる可能性がある。そこで、特集『二番底か高値奪還か 最強株で勝つ!』の#2では、各社の想定為替レートを基に「円高シフトにより下方修正リスクが高い」企業を抽出。その一覧を大公開する。(ダイヤモンド編集部 山本 輝)

歴史的円安から一転して円高に
輸出企業に業績悪化リスク

 わずか1カ月で20円もの円高に――。

 7月に1ドル=161円超という歴史的な円安水準を記録してから一転、日本銀行の追加利上げなどをきっかけとして8月5日には一時1ドル141円台まで急落するなど、為替相場は混乱を極めている。

 円高は輸入価格の下落などで消費者にとっては恩恵もあるが、製造業などの輸出企業にとっては基本的に逆風だ。そのため、足元の円高シフトを受けて、企業業績への悪影響を懸念する声が出始めた。

 特に懸念されるのが、これまでの円安を受けて、足元で想定為替レートを円安方向にシフトした企業の明暗だ。

 企業は業績予想などに当たって、前提となる想定レートを設定する。だが、想定レートが実勢よりも大幅に円安となれば、その業績予想は為替による増益効果の“げたを履いた”状態。すなわち、直近の円高相場が続いてしまうと、業績の下方修正を迫られる可能性が高いといえるのだ。

 そこで、今回、円高シフトによって業績予想の下方修正を迫られる可能性が高い企業を炙り出すべく、直近で想定レートを円安に修正した企業のうち、為替レートの変動の影響を受けやすいと考えられる海外売上高比率が50%以上の企業を抽出し、全41社のリストを作成した。自動車や自動車部品、化学業界、電気機器・機械から意外な食料品メーカーまで、その業種は多岐にわたる。

 ジェットコースターのような為替相場の急変に、企業が振り回されている格好だが、これらの“円高警戒企業の”業績の上振れや下振れを予測する上では、特に各社の想定レートと業績計画をよく吟味する必要がある。

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