二番底か高値奪還か 最強株で勝つ!#13Photo:JIJI

中国市況の停滞から、ファナックやオムロンといった中国比率の高い銘柄が低迷する。足元では持ち直しの兆しも見られるが、不確定要素は多く、投資対象として手を出しづらい状況だ。では、好調なのはどこなのか。特集『二番底か高値奪還か 最強株で勝つ!』の#13では、最強の収益力を誇る有望企業や、ホットトピックで業績が波に乗る注目企業を紹介しよう。(ダイヤモンド編集部 山本 輝)

中国市況低迷で
機械セクターに明暗

 2023年度の機械セクターは、中国の市況に大きく翻弄されたといえるだろう。

 まず厳しかったのが、ファナックだ。24年3月期の売上高は前期比7%減となる7953億円、純利益は同22%減の1332億円だった。中国で好調だった電気自動車(EV)関連投資などが減速し、ロボット関連の中国向け売上高が減少した。

 同様に、オムロンも苦しい決算となった。24年3月期の売上高は同6.5%減の8188億円、純利益は同89%減の81億円となった。中国経済の減速を受けてファクトリーオートメーション(FA)機器事業が不振だった。業績回復を急ぎ、約2000人という大規模な人員削減に踏み切る決断を迫られるに至った。

 下表は、主要な機械、重工業関連銘柄について、売上高に占める米国と中国それぞれの割合と業績、株価の騰落をまとめたものだ。

 これを見ると、ファナックやオムロンなどが減益になるなど、中国比率が高い企業が苦戦している様子がうかがえる。

 両社は業績低迷に伴い、株価の動きも芳しくない。ファナックは23年初から見ると、足元で8.8%安、オムロンも同2.9%安となっている。

 足元では、中国市場で明るい兆しも見えている。ファナックは25年3月期第1四半期決算で、通期の純利益見通しを従来の金額に比べて180億円上方修正し、前期比6%減の1253億円になると発表した。ロボットの在庫解消にはまだ時間がかかるものの、FA関連の需要が戻っており、受注が回復したことが要因だ。

 とはいえ、中国市場の回復が本物かどうかはまだ見通せないところだ。仮に中国の市況が回復したとしても、中国メーカーとの競争にさらされる中で、必ずしも競合に打ち勝てるとは限らない。

 中国市況の動向の不透明さや個社の競争力の有無に疑問が残る中で、やはりこうした株には手が出しづらい状況だ。

 では、機械関連セクターで有望な銘柄はどこなのか。そこで、次ページでは、トップアナリストが注目する二つの銘柄を紹介する。それぞれの強さやなぜいま注目すべきかについて、その詳細を解説しよう。