正解:ZOZOはQ社(しまむらはR社)

ZOZOは受託販売が中心、粗利率は高い

 ZOZOは、さまざまなメーカーのブランド品を通販サイトで販売し、受託販売手数料を得ています。

 製造販売、買い取り販売も一部行っていますが、その比率は低く、ネットでの受託販売が中心です。自ら仕入れて販売するわけではないので、粗利率は93.0%と非常に高くなります。

 一方、しまむらはナショナルブランド品やプライベートブランド品を仕入れて販売しているので、粗利率はZOZOほど高くなりません。

ZOZOは配送コストの負担は重いが、営業利益率は高い

 ZOZOは、ネット販売で受託販売手数料を取るビジネスが中心なので、営業利益率も30.5%ととても高くなっています。ただし、販売した商品の配送コストがかかるため、販管費率が62.5%と高くなります。

 一方、しまむらは、衣料品専門店の強みを生かした効率的な販売体制を築き、販管費率を25.7%に抑え、営業利益率8.7%を確保しています。

ネット販売の採算は、配送コスト負担をどう抑えるかがカギ

 ネット小売業は、リアル店舗を運営するコストがかからないので、ZOZOのように高利益率を上げやすいです。

 ただし、ネット小売業が常に利益率が高いわけではありません。戸別配送コストが重いので効率的な配送体制を作れないとコスト割れになります。

 実際、有店舗販売を主体とする大手小売業の中には、ネット販売が赤字の会社も少なくありません。

 しまむらは、多数のリアル店舗を有する強みを生かし、オンラインストアで注文した商品を店舗で受け取れば送料無料とすることで戸別配送を減らし、配送コストの負担を抑えています。

(本稿は、『株トレ ファンダメンタルズ編』から抜粋・編集したものです。)