上司が忙しいのは事実だとしても、そして上司が取り組んでいる仕事と比べて部下の仕事の重要度が低かったり、緊急性が低かったりすることは実際あるのでしょう。でも、部下にとっては大事な自分の仕事なのです。そうした心理面への配慮が足りないと、従業員のモチベーションは下がってしまいます。

 職場を活気づかせたいと思うなら、自分の部署のメンバーひとりひとりの気持ちに対する想像力を働かせる必要があります。

大事なのは個々の仕事の“やりがい感”を高めること

 仕事の重要度の他にも、考慮すべき点はあります。例えば、仕事にやりがいを感じることができるかどうかも大切です。

 仕事があまりに単調だとモチベーションは上がりません。自分のやっていることが何の役に立っているのか分からない場合も、モチベーションは上がらないでしょう。言われたとおりにやればいいだけというのも、簡単ではあるものの、モチベーションは上がりにくいでしょう。

 心理学者のハックマンとオルダムは、職務というものは、有意義感の欲求、責任の欲求、フィードバックの欲求などを満たす必要があるとし、このような欲求を満たす仕事のことを「充実した仕事」と呼びました。

 成長欲求の強い人は、充実した仕事に就くことによって満足度が高まり、パフォーマンスも上がります。なかには自信がなく、責任を持たされたり、任されたりすることで、気持ちが燃えるどころか、不安によって萎縮してしまう人もいますが、ちゃんとサポートしてあげられれば、単調な仕事をするだけよりはモチベーションが上がるはずです。