モチベーションを高める5つの職務特性

 ハックマンとオルダムは、そのような考察に基づいて、モチベーションを高める職務特性として5つの要素を抽出しました。

(1)多様性:単調でなく、多様な操作やスキルが必要だったり、変化があったりすること。
(2)完結性:部分的な作業をするだけではなく、仕事全体を見渡せて、自分の仕事の位置づけができること。
(3)重要性:社会的意義や組織にとっての必要性が分かるなど、やっている仕事の重要性や有意味性が感じられること。
(4)自律性:命じられるままに作業をするというのでなく、自ら計画を立てたり、方法を工夫したりして、自律的に取り組めること。
(5)フィードバック:自分の仕事の結果が分かり、今後の改善のための有益な情報が得られること。

 単調な仕事をやらされるばかりでは、モチベーションを維持するのは難しいでしょう。そこで求められるのが、(1)仕事の多様性です。自分がしている仕事が何の役に立っているのかが分からないと、モチベーションも上がりません。そこで大事なのが仕事全体を見渡すことができ、その中における自分の仕事の位置づけを知ることです(2)。また、自分の仕事の(3)重要性が分からないと、モチベーションは上がりません。重要性を知ることがやる気につながります。

 言われた通りにそのままやればいいというのでは、モチベーションは上がりません。自分で工夫して(4)自律的に取り組めることがやる気につながります。そして、自分の仕事の結果が分かることで(5)、今後の改善のために工夫しようという思いが高まるのです。