会議中のビジネスパーソン写真はイメージです Photo:PIXTA

社員同士は仲が良く、職場の雰囲気は悪くない。しかしどうもみんなのモチベーションが上がらず、沈滞ムードが漂う。なんとか職場を活気づけることができないか……それは、多くの管理職や経営者が願うことでしょう。今回は、活気のある職場づくりのコツを、仕事のやりがい設計という視点から考えてみます。(心理学博士 MP人間科学研所代表 榎本博明)

重要性を感じられなければ、モチベーションは上がらない

 ある職場のモチベーション研修で、入社してまだ2~3年の若手たちに“モチベーションを下げさせる上司の態度”について自由に話してもらったところ、次のような発言がありました。

「上司から命じられた書類作成をして、上司のもとに持っていったら、『今忙しいから、そこに置いといて』と言われ、上司の机の隅に置いて、自分の席に戻り、通常の業務に戻りました。あとで何か言ってくるだろうと思っていたんですけど、何もなく、翌日も、その後もまったく何も言われません。それで、結局どうでもいい仕事だったんだなって思って、あれ以来、何だかやる気を失ってしまいました」

 すると、別の人物が次のような発言をしました。

「私も同じような経験をしました。自分が担当している営業活動の現状と問題点を整理して上司に報告に行ったんですけど、忙しいから手短にと言われ、こちらの報告に生返事をするだけで、まったく関心ないといった感じだったんです。それまでは結構張り切っていたんですけど、やる気が急にしぼんじゃいました」

 そうした発言を受けて、自分も似たような経験があると、何人もが自分の経験について語り、盛り上がりました。