米国の利上げから遅れること2年、日本もついに金利ある世界のスタートラインに立った。これを受けて、銀行株はTOPIXのけん引役となっている。そこで、24年度第1四半期末(24年6月末)までの株価上昇率上位15行と下位行15行を調べ、ランキングを作成。さらにそれら株価とファンダメンタルズ要因の連関性を、感応度の高低により特定した。(日本資産運用基盤グループ ディレクター 白瀧俊之)
金利復活で株価上昇
騰落率の要因を分析
世界の主要中央銀行が利下げにかじを切る中、日銀は2024年3月19日に約17年ぶりとなる政策金利の引き上げを決定した。22年3月16日に米国が利上げを決定してから2年遅れて、日本は「金利のある世界」というスタートラインについたことになる。
これを受け、24年7月4日にTOPIXが34年ぶりに史上最高値を更新した。日銀による追加利上げ観測を主因とする金利上昇を受け、銀行の預貸金利ざやの改善に伴う収益向上期待を背景に、銀行株がけん引役となっている。
もちろん、東証による株価純資産倍率(PBR)1倍割れ企業への改善要請も上昇の一助となっている。貸出金利や円債利回りの上昇は資金収益拡大要因である一方で、金利更改に伴う貸出先への貸倒引当金増や、保有している円債の含み損の拡大というリスク要因も内包している点には注意を要する。
そこで、23年末から24年度第1四半期末(24年6月末)までの株価上昇率上位15行と、下位行15行を調べ、ランキングを作成。さらにそれら株価とファンダメンタルズ要因の連関性を比較し、半年間における感応度の高低により、株主に重要視された要因を特定した。
株価騰落率ベスト&ワーストそれぞれの1位はどこの銀行だったのか。次ページで、一挙公開する。