今後のサンリオのさらなる成長には、“モノ”から“コト”への転換がポイントとなるでしょう。

 これまでサンリオのビジネスの成功を支えてきたのは、キャラクターのグッズ中心の、“モノ”としての価値提供です。ここからさらに、キャラクターを使った教育事業など“コト”への展開によって、体験という新たな価値を提供することが可能になります。提供価値を広げることによって顧客層を拡大できるかどうかが、鍵となるのです。

 さらに、サンリオは顧客当たりの「サンリオ時間」、つまり「サンリオのキャラクターと一緒に過ごしたり、サンリオが提供するサービスに熱中したりして笑顔になる時間」を大事にしているといいます。これを増やし、結果として顧客単価を増やせるかということも、今後の成長を左右するでしょう。

サンリオのカワイイをつくる
「すごい仕組み」

 ハローキティに代表されるサンリオのキャラクターですが、その裏にはライセンスビジネスの極めて合理的なメカニズムが存在していることが分かります。

 キャラクターを、社員のデザイナーによって内製化し、IP(知的財産)を会社が保有。これにより、ライセンスを受ける他企業はサンリオキャラクターとのコラボをスピーディーに、デザインの自由度高く、かつコスト面でも有利に進められる仕組みがあるのです。

 また、この仕組みは多要素から成り立つものであり、競合他社にとって簡単には模倣できないことも大きな強みです。

 幅広いコラボ企画で活躍し、“仕事を選ばない”サンリオキャラクター。しかし仕事の仕組みは、しっかり選んでいるのです。