まずは構造的な話からいきます。

老害になる構造

 たとえば、「若い世代のリーダーを作ろう」という活動をしてたとします。会社の中とかで、「年齢を重ねた人ではなくて、実力で、優秀な若い人が権限を持てるようにしよう」みたいなのあるじゃないですか。

 そして、それはだいたいにおいて、同じような世代の人たちががんばるわけです。

「老害になりたくないなぁ」とボヤく40代がすでに老害になってるワケけんすう(古川健介) アル株式会社代表取締役。学生時代からインターネットサービスに携わり、2006年株式会社リクルートに入社。新規事業担当を経て、2009年に株式会社ロケットスタート(のちの株式会社nanapi)を創業。2014年にKDDIグループにジョインし、Supership株式会社取締役に就任。2018年から現職。会員制ビジネスメディア「アル開発室」において、ほぼ毎日記事を投稿中。

 しかし、権限を持つまでには、長い時間が必要だったりします。なんだかんだ、いろいろがんばって、着実に前に進んでいった結果、すごく時間がかかったりします。対抗勢力みたいなのがやっぱりいるわけですからね。

 そして、組織を作ったり、人脈を作ったり、資金をためたり、実績を作ったりと、あれやこれや、必要なものを積み上げ行くわけです。

 そうして……50歳とか60歳とかになって、ようやく担いでた人がリーダーになるわけですね。すると、当たり前ですが、「そのリーダーの周りにいる人たちも、50〜70歳くらいになっている」みたいな現象になってたりするわけです。

 せっかくリーダーになったんだから、ちゃんと改革を実行にしたいわけなので、長い間、権限を持とうとします。対抗勢力が出てきても、ちゃんと勝てるようにします。

 みたいにすると…。これ、次の若い世代から見ると「実績や人脈やお金などの面で有利な老人たちが、徒党を組んで既得権益を独占しようとしている」と見えちゃったりするんです。

 そのときには「年寄りは、インターネットビジネスの勃興期の成功体験があるけど、古いんだよな。いつの時代だよ」とか「あの世代は、未だに脳にプラグを差さなくて、画面を使って仕事しているんだよ」みたいに言われてるかもしれません。

 どのプレイヤーも「自分たちの世代で、正しいことをしよう」としているだけなのに、対立構造が生まれ続ける、みたいなのはありそうだなあ、と。