現金の割合は安全度の高さを表しています。スライダーバーを右に調整すると、資産全体はより安全(ローリスク・ローリターン)になります。逆にスライダーバーを左に調整すると、安全度が減り、よりハイリスク・ハイリターンな資産配分になります。資産運用を始める前は、スライダーバーが一番右にある状態です。

「スライダーバーを調整するだけ」と考えると、資産運用のハードルは低くなるでしょう。資産運用を始めるときに適切な割合を一括で投資するのも、毎月の積立を設定するのも、すべてはこの現金とリスク資産の比率を適切な値に保つための手段です。

 現金とリスク資産の比率は、給与や贈与、住居などの高価な買い物などによって、時間の経過とともにいつのまにか大きくずれ、リスク資産よりも現金の割合が大きくなっている、あるいは逆にリスク資産の割合が大きくなっていることがあります。

 そのときはスライダーバーを調整しましょう。資産配分が50:50の方は、ちょうどバーが中央にくるようにするという具合です。1年に一度くらいは比率をチェックして、もし適切な値から大きくずれていた場合は調整しましょう。

 資産運用とは、いわばスライダーバーを調整して、適切な割合のリスク資産を常に保有するということにつきるのです。