したがって、朝に疲れを残さないためには、まずは生活習慣の改善が重要です。体内時計を適正な状態に保つ生活を心がけ、自律神経のバランスを整えていきましょう。
また、セロトニン不足が自律神経の乱れに大きく関係します。セロトニンは脳の興奮を抑え、心身をリラックスさせる効果があり、不足するとイライラや不安・恐怖などのストレスを感じやすくなります。 意欲や集中力の低下、気分の落ち込みなど心が不安定になり、自律神経の調節機能のほか、めまいや頭痛など体の不調にもつながります。
タンパク質や鉄、ビタミンB群の栄養不足により、ストレスから回復する力が低下します。
その結果、ホルモン分泌の乱れ(甲状腺ホルモン、副腎ホルモン、性ホルモン)となり自律神経失調症につながることがあります。
自律神経=体内時計を改善し、セロトニンの分泌をよくする3つの生活習慣を紹介します。
・朝日を浴びる(体内時計のリセットとセロトニンの分泌)
・起床して1時間以内に朝食を摂る(体内時計のリセット)
バナナに多く含まれる
“すごい成分”の効果とは?
ここまで詳しく解説した「起床直後の疲労感」を解消する“すごい食材”は、バナナです。
バナナの炭水化物、トリプトファン、ビタミンB6が脳の目覚め、セロトニンの材料になります。バナナはトリプトファンの含有量が突出して多いわけではありませんが、「トリプトファン」を「セロトニン」に合成するときに必要なビタミンB6や炭水化物をすべて含む優秀な食材です。バナナだけでも美味しく食べられますし、調理不要で食生活にプラスしやすいというメリットもあります。
炭水化物:エネルギー源として体内で重要な役割を果たし、脳や筋肉の活動をサポートする。
トリプトファン:セロトニンの前駆体として、リラックス効果や精神の安定、睡眠の質を向上させる作用がある。
※乳製品、穀類、鶏肉、レバー、マグロ、きなこや豆乳などの大豆加工食品にも豊富に含まれる。
ビタミンB6:神経伝達物質の合成を助け、免疫機能の維持や皮膚の健康に貢献する。
※たんぱく質が豊富な動物性食品に含まれることが多い。
食物繊維:腸内の善玉菌を増やし、腸内環境を改善することで消化を助け、便通を促進し、血糖値やコレステロールの調整にも役立つ。
オリゴ糖:腸内の善玉菌であるビフィズス菌や乳酸菌の増殖を促し、腸内環境を改善することで消化機能をサポートし、便秘の予防や免疫力の向上に役立つ。
超簡単!“朝からヘトヘトさん”を救う
「バナナ&パワードリンク」レシピ
材料は、バナナ1本、きな粉大さじ2、牛乳200cc、MCTオイル小さじ1〜2を用意してください。作り方は簡単で、牛乳にきな粉とMCTオイルを混ぜるだけです。
きなこでトリプトファンを補いつつ、バナナに含まれるビタミンB6と炭水化物によってトリプトファンをセロトニンに合成するのを助けています。MCTオイルは代謝されてケトン体に変わることで脳のエネルギーになります。
生活習慣を改善したうえで、バナナとドリンクのセットを朝食にすることで疲労回復効果が期待できます。朝から疲労感がある人はぜひ取り入れてみてください。