自分は将来どうなるだろう……。そんな不安を持つ人は少なくないのではないだろうか。「いつまで第一線でいられるか」「いつまで他人と競えばいいのか」「いまいる友達は60歳になっても友達か」「気力体力はどうなるか」「お金は?」「いまのうちにやるべきことは?」など疑問がつきない。そこで本連載では、2025年に60歳を迎える奥田民生の10年ぶりの本『59-60 奥田民生の仕事/友達/遊びと金/健康/メンタル』の中から、民生流の「心の持ち方、生きるヒント」を紹介する。「力まず自然体でカッコいい大人」代表の奥田民生は、これまでどのように考え、どのように働き、どのように周りとの関係を築いてきたのか。その言葉を見ていこう。(構成/ダイヤモンド社・石塚理恵子)

奥田民生が「ちょっとイヤな仕事」をするときしているたった1つの工夫とは
Photo by Takahiro Otsuji

仕事なんて面白がってなんぼ

 俺はなんでも面白がってとりあえずやってみる派だ。

 初めて機材を触るときも説明書は読まないし、いちいちネットで調べてから行動するタイプでもない。

 そのせいで機材やパソコンにいろんな機能が付いていても、気づかないまま終わることは多いから、タイパ重視になったいまは反省することも多い。

とりあえずやってみる

 最近の俺は仕事もそうで、輪をかけて「とりあえずやってみる派」になっている。

 あまり事前に考え過ぎず、その場で「ダジャレ」を考える感覚に近い。

 ダジャレは1週間も前に準備なんてしないけど、俺にとっては仕事もそうで、大喜利みたいにその場のノリで楽しんでいる。

 そういう意味で俺の仕事は「直感がすべて」かもしれない。

 説明書を読んだり、いろいろ下調べをしてから始めるより「このボタンを押してみよう」でボタンを押したい。

 仕事も直感で進んだ方が最近の俺はうまくいく。

 事前に情報を入れるより、出たとこ勝負で面白がるのがいい気がする。

見る角度を変えてみる

 仕事なんて全部が全部、面白いなんてことはない。

 俺にだって辛い仕事や、ちょっとイヤな仕事はある。

 ただそういうときも、できるだけ面白がるのは大事なことだと思っている。

 面白くないなら「面白くないことがなくなる工夫」をすればいいだけで、自ら進んで面白がれば、どんな仕事も面白くなる可能性はある。

しんどいと思ってやるとしんどくなる

 世の中には仕事で悩む人がたくさんいるけど、しんどいって思ってやるとしんどくなるし、「イヤだ、辛い」と思ってやると、どんどん辛さは増してしまう。

 もし同じ仕事でしんどくない人がいるとしたら、しんどいと思うのは「心の問題」。

 そうだとしたら見る角度をちょっと変えれば変わりようはある。

 俺はそう思って仕事をしている。

 人生なんて「面白がった者勝ち」なのだから。

(本稿は奥田民生『59-60 奥田民生の仕事/友達/遊びと金/健康/メンタル』からの抜粋記事です。)