「お願い営業」は、なぜ成り立つのか?
謝り方の参考になるのは、お願い営業です。皆さんはお願いを営業した事はありますか。
お願い営業とは「本来需要がないお客さんに対して自社のサービスや商品の購入をお願いする営業」のことです。
お願い営業はよく、だめな営業のうちの1つとして紹介されることが多いですが、僕は全く逆だと思っています。なぜなら、お願い営業は、日ごろの貸し借りや恩義があるからこそ成り立つものだからです。
相手に「貸し」をつけておくのが上手い
ここにヒントがあります。
職場で謝罪が上手な人は、日ごろから相手にこの「貸し」をつけておくのが上手いです。
たとえばあなたが何かトラブルを起こした時に、相手が「今回は迷惑をかけられたけど、うちもいつも迷惑をかけてるからな」と思ってくれたらどうでしょうか。もしこのように相手が思ってくれえれば、あなたの謝罪は、ただの謝罪ではなく、「貸し借りの解消」になります。
つまり、「うまい謝罪」というのは、日頃の行いですでに決まっているということです。
これはかなり高度なテクニックですが、「謝罪の仕方」を練習するような表層的なものよりはよほど効果的です。
「貸し借り」があれば、謝罪は謝罪にならない
日ごろ自分が人に感謝されるようなことをした時や、ちょっと急な対応したときにきちんと「これは貸しですからね」といようにしてみてください。
そうすることで、あなたがいつかトラブルを起こした時にも、「これはあの時の借りを返せるな」と、相手に理解してもらえるようになります。
このように同じ仕事の内容でも、コミュニケーションの仕方や言い方1つで、自分のチャンスを消さずに済むことがあります。こういった「評価を変えるちょっとしたテクニック」は覚えておいて損もないでしょう。
(本記事は『雑用は上司の隣でやりなさい』に関連する書き下ろし原稿です)