「リライト確定!」ってことはよくあります。そういう場合、以前は「全部、僕が直せばいいや」って思ってたんですけど、ある時に著者のためにならないことに気が付きました。だからいまは、なるべく丁寧に修正指示の赤字を入れて戻すことにしています。継続的に仕事をしていくことになったら、著者自身が成長してくれたほうが、結局、編集者も楽ですから。
日本語の良し悪しは、直せばいいだけで些末なことなんです。文芸作品を作るわけではないので、ワード2枚分くらいリライトした原稿を送って「ちょっとこういう感じで直せるか、やってください」とチューニングの方法を伝えます。
むしろ大切なのは構成ですね。漫才のネタみたいなものなんで、オチが弱いとか、ボケきれてないとか、展開がぐずぐずだとか。物語の論法的に「ここで読者はこう思うだろうから、少し広げてあげよう」とか「この部分がもう少し読みたいはずだから、書いてもらって」とかをやりとりすることになる。
章をどう組み直すのか
編集者の技量が試される
原稿を一気に全部送ってくる人、週に一度や2週に一度などペースを決めて分割して送ってくる人など、原稿提出の仕方は、著者の執筆スタイルによって変わってくるので、どういう形で提出してもらうかは基本的にはお任せしています。