「早くやらなければ!」とわかってるのに、ついつい先延ばしにしがちな「実家片づけ」は、“親が元気なうちに取り組むことが何よりも大切”というのは、最新刊『「介護」「看取り」「相続」の不安が消える! 実家片づけ』を出版した、片づけアドバイザーの石阪京子氏。実家に溢れるモノを整理し、お金を把握することで、親子ともに幸せになれるそのノウハウを、本書から抜粋・編集してお伝えします。

【1500軒以上を片づけたプロが教える】使いやすくファイリングしておく紙は2種類だけ!その見分け方は?必要な紙を5秒で取り出せる仕組みを構築する(『実家片づけ』(石阪京子著 ダイヤモンド社刊より)

ファイリングするべき紙は実は2種類だけ!

 前回、実家の紙を片づけるステップをご紹介し、動いている「金目の紙」と動いてない「金目の紙」を分けるところまで説明しました。

 動いている「金目の紙」は、必要な紙を5秒で取り出せる仕組み(ホームファイリング)を作ります。これに関しては、『人生が変わる 紙片づけ!』という本に詳しく書いていますが、『実家片づけ』の本では高齢者に合わせて簡略化した方法をお伝えしています。

 ファイリングをする紙は、「金目の紙」だけではなく、健康保険証やパスポートなどの重要書類も対象になります。これらはお金に換わるわけではありませんが、何かの目的のために必ず必要になるもの。言い換えるなら「使う目的がある紙」です。

 つまり、ファイリングをする紙は、「動いている金目の紙」と「使う目的がある紙」の2種類ということです。この仕組みを作っておけば、今後、様々な紙が入ってきても、ぐちゃぐちゃにならなくなります。

紙を片づけるときの思考法 3か条

1 大切なのは、どう収納するかより、何を残すか

ホームファイリングが目指すゴールは、「必要な紙を5秒で取り出せる仕組みを作る」こと。どんなに美しく収納されていても1000枚の中から1枚を探し出すのは大変。でも必要な紙だけが10枚厳選されていれば、そこから1枚取り出すのは5秒でできます。ですから「紙片づけ」で最も大切なのは収納の仕方を知ることではなく、何を残すべきかを知ることです。

2 残すのは「金目の紙」と「使う目的がある紙」だけ

実は残すべき紙は2つだけ。「念のため」と思って取っておいても、必要なときに探し出せなければ意味はありませんから。
(ホームファイリングすべき主な紙は、P171を参照)

3 ネットで情報を見られるなら紙そのものはいらない

拙著『人生が変わる 紙片づけ!』(ダイヤモンド社刊)では、「書かれている『情報』だけとっておきたい紙」については「データ化」してクラウド保存を推奨しています。しかし、親世代にそこまで求めるのは酷なのでデータ化まではしなくてOK。ただしネットでも見られる情報が載っている紙(取扱説明書や自治体のパンフレットなど)は処分して、今後はスマホやパソコンで見られるように教えてあげるとよいでしょう。

 *本記事は、石阪京子さんの最新刊『「介護」「看取り」「相続」の不安が消える 実家片づけ』から、抜粋・編集したものです。