株価、序列、人事で明暗! 半期決算「勝ち組&負け組」【2024秋】#11Photo:PIXTA

売上高が伸びている武田薬品工業とアステラス製薬がなぜリストラをするのか。「稼ぐ力」の指標で製薬大手4社を比較すると、実は両社ともこの数値が弱いのだ。特集『株価、序列、人事で明暗! 半期決算「勝ち組&負け組」【2024秋】』の#11では、武田薬品、アステラス製薬、第一三共、中外製薬の4社について、稼ぐ力を徹底比較した。(ダイヤモンド編集部 臼井真粧美、野村聖子)

武田薬品とアステラス
リストラがお家芸

 国内製薬大手の武田薬品工業とアステラス製薬は希望退職者や早期退職者の募集を近年繰り返して実施し、リストラがお家芸になっている。組織についても部署あるいは部門を減らすといった構造改革が進む。

 売上高だけを見れば、両社とも伸びている。武田薬品の売上高は4兆円超にも上り、国内では規模でも抜きんでる。一見、大手の中で一番稼いでいるように思える(下表参照)。

 しかし、第一三共と中外製薬を含めた製薬大手4社で「稼ぐ力」を比較すると、武田薬品とアステラス製薬の2社は他の2社よりも弱い。新薬候補をラインアップした開発パイプラインの充実度では第一三共と中外製薬に軍配が上がり、さらに財務で比較してもこの社の方が勝っているのだ。

 次ページでは、製薬4社を稼ぐ力で順位付け、武田薬品とアステラス製薬でリストラが必然になる理由を明らかにする。