株価、序列、人事で明暗! 半期決算「勝ち組&負け組」【2024秋】#14Photo by Yasuo Katatae

金利のある世界の到来で、3メガバンクの業績は力強く復活し始めた。だが収益の回復において、みずほフィナンシャルグループは他メガに出遅れているように見える。特集『株価、序列、人事で明暗! 半期決算「勝ち組&負け組」【2024秋】』の最終回で、その要因を探った。(ダイヤモンド編集部副編集長 片田江康男)

金利上昇で絶好調の3メガバンク
24年度はそろって最高益更新へ

 日本銀行は2023年7月と10月にYCC(イールドカーブ・コントロール、長短金利操作)の運用柔軟化を決め、24年3月にマイナス金利解除、さらに同年7月には利上げを実施。24年度から、銀行はいよいよ本業である金利差で稼ぐことができるようになった。

 実際、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)、三井住友フィナンシャルグループ(SMFG)、みずほフィナンシャルグループ(みずほFG)の3メガバンクの業績は、23年度下期から力強く回復。23年度の純利益は、MUFGが1兆4907億円、SMFGが9629億円と過去最高益を更新。みずほFGは6789億円で、過去2番目に高い数値となった。

 この好調ぶりは足元でも維持されており、24年度中間決算の発表時に3社は通期目標を上方修正。24年度にそろって過去最高益を更新することは、ほぼ間違いない(下図参照)。

 だが本業の収益額には、3メガで差が出ている。とりわけみずほFGは、MUFGとSMFGに後れを取っているように見える。

 3メガのビジネスモデルに大きな違いはなさそうだ。それにもかかわらず、なぜ5000億円もの差が出るのか。次ページでその背景を探った。