7月31日に日本銀行が追加利上げに踏み切り、株価や為替は乱高下した。市場の変化は、地方銀行の運用成果にも影響する。そこで、特集『株価、序列、人事で明暗! 半期決算「勝ち組&負け組」【2024秋】』の#12では、4~9月の半年間で運用パフォーマンスのランキングを作成した。すると、前期は上位だった地銀が軒並み下位に転落。これまで勝ち組に見えた地銀の足場は意外にも脆いことが分かった。(ダイヤモンド編集部 永吉泰貴)
地銀で上方修正続出も
運用パフォーマンスに異変
2025年3月期中間決算では、通期業績予想を上方修正する地方銀行が相次いでいる。上場全73社の地銀・グループの連結純利益は前年同期比17.5%増、うち7割超に当たる54行が増益となった。
貸出金利息などの資金利益が向上した影響で、地銀の最終損益は上向いている。だが地銀の決算を見る上で、最終損益の多寡だけでは好不調を判別できない事情がある。最終損益には表れない、有価証券評価損益(含み損益)の存在があるからだ。
ほとんどの地銀は、四半期ごとに公表する決算短信や決算説明資料において、保有する有価証券を時価評価して開示している。有価証券の評価損益が悪化すれば、銀行の収益力、ひいては将来の利益水準も押し下げる可能性がある。そのため地銀の決算では、有価証券の売却や償還などによる実現損益だけでなく、評価損益の動向も併せてチェックしておくことが肝要だ。
24年4~9月の半年間で、運用を巡る外部環境は大きく変わった。24年初から日経平均株価は全体的にうなぎ上りだったが、それも一服。日本銀行が今年7月31日に追加利上げに踏み切り、その後は株価や為替が乱高下した。
この環境下、実現損益と評価損益を合計した総合損益を半年間の利回りで比較すると、地銀の序列も激変していたことが分かった。
次ページでは、ダイヤモンド編集部が作成した地銀の運用パフォーマンスの上位10行と下位10行を公開する。名古屋銀行や京都銀行が下位に沈んだ。上位は?