内定格差の拡大や
1社に絞れない悩みも
例えば、内定格差の拡大。就職率、内定獲得率、内定獲得社数などは平均値だ。25年卒の大卒求人倍率は全体平均で1.75倍だが、従業員規模5000人以上の企業では0.34倍にすぎない(リクルートワークス研究所調べ)。
就活生も、早くから企業研究や自己分析を行うタイプがいる一方、動き出しが遅く、気が付いたら志望企業の採用が終了していたり、自分の希望にこだわるあまり、流れに乗り遅れるケースもある。
企業選びの“落とし穴”にも注意が必要だ。昨今、就活生に追い風が吹く中で、自己分析や企業研究が不十分なままでも、内定(内々定)がもらえてしまう状況が生まれている。
「内省を深め切れないままに複数の内定(内々定)を獲得できても、最終的に、この会社で本当にいいのか迷いが出てきたり、内定を得た企業の間で揺れ動くことになっている」と、リクルート就職みらい研究所所長の栗田貴祥氏は指摘する。
さらに“売り手”有利だからといって企業側は必ずしも採用基準を緩めているわけではない。むしろ多くの企業は中途採用に力を入れ、人材採用に占める新卒の比率は半分程度に低下している。
こうした状況で親のサポートがますます重要になっている。わが子の就活は、親にとっては子育ての集大成ともいえる。
ただ、親世代が経験した就活と今の就活は、その中身やスケジュールが大きく異なる。例えば、バブル崩壊以降、日本の産業構造は製造業中心からサービス業中心へ大きくシフトした。IT系を中心に30年前には存在しなかった新しいビジネスを手掛ける企業も次々に登場している。親世代からすると、子が面接を受けたり就職を決めた会社について「聞いたこともない」となりがちだ。
素朴な親心が子の就活に水を差すようなことにならないよう、親も最新の就活事情を、しっかりとフォローしておきたい。