1999年度以来24年ぶりに純利益1位を奪還し、2年連続で純利益1兆円を達成した三井物産。巨額の成長投資でさらに攻勢をかける。特集『総予測2025』本稿では、堀健一社長が「三つの投資ターゲット」を語った。(聞き手/ダイヤモンド編集部 猪股修平)
投資総額は2.6兆円に!
高い利益水準を持続させる
――2024年3月期の通期決算で、24年ぶりに純利益が総合商社トップになりました。24年は注目が集まる年になったのでは?
全社員が精力的に新規ビジネスに挑戦し、同時に既存事業の足腰を強くする働きをしてくれた。手応えのある1年になりました。
また、26年3月期までの事業拡張や、投資方針が決まっているものだけで2兆6000億円規模になっています。投資パイプラインも大型のものを含めて交渉中。将来のための礎を強化する1年にもなりました。
――純利益が頭打ちにならないようにするため、25年の経営のかじ取りはどのようにしていきますか。
現在の利益水準をサステナブルに再現することに、それなりの手応えはあります。それを市場により理解していただきたい。
潜在的には三井物産の企業価値はもっと上がります。事業ポートフォリオの分散はもちろん、先進国と新興国のバランスが取れていることや長期的な布石を打っていることなどを市場に示していきたいです。
――成長投資の中身は具体的に何ですか。注目の事業は?
次ページでは、堀健一社長が「三つの投資ターゲット」を語った。一つはカーボンニュートラル分野で各部門が横断的に動き、国をまたいで大掛かりな仕事に入る。さて、残りの二つは何か。