商流とその関係会社を把握することで、研究したい業界・企業が「誰に仕事を依頼するか」がよく分かるようになる。

 就活に詳しいダイヤモンド・ヒューマンリソース局長の福重敦士氏は「商流を共にする会社の人たちは、入社後に一緒に働く人たちであり、その会社を知ることは実務に役立つはずだ」と説明する。

 なお、川上には企業間の取引が多いBtoB企業が多く含まれる。川下は消費者に商品やサービスを提供するBtoC企業が多くなる。

お金と商品の購買の流れに注目して
「電子部品・自動車業界」を研究!

 自動車業界では、部品の製造や開発が段階別に細かく分かれていて、川上には「Tier(ティア)」と呼ばれる複数の階層の企業が並ぶ(下図参照)。さらに完成車メーカーの系列企業が商流の多数を占めるといった特徴もある。

 また、横並びの同業他社には、電気自動車メーカーなどの商品のカテゴリー別の競合や、海外メーカーなども並ぶ。

 このように商流を意識した上で、個別の会社の戦略の違いを調べていくと、業界・企業研究をより充実させることができるはずだ。