内定者がこっそり活用!採用担当者のホンネを引き出す「質問ハック」とは写真はイメージです Photo:PIXTA 
*本稿は、現在発売中の紙媒体(雑誌)「息子・娘を入れたい会社2025」の「内定を確実にする「虎の巻」最新版 実践編」を転載したものです。

統計学やケーススタディーに基づき採用を科学的に研究する学問の「採用学」。その提唱者である神戸大学大学院経営学研究科の服部泰宏教授に、学生が今すぐできる企業とのミスマッチを防ぐ情報収集や、就活のヒントを聞いた。(取材・文/奥田由意)

企業の人事が注目する
「採用学」から就活を逆算

 人材難も相まって、企業の採用活動は進化している。最近の傾向として、神戸大学大学院教授の服部泰宏氏は「企業がより深く大学にアクセスする動きが活発化してきた」と言う。従来のキャリアセンター経由の採用活動に加え、ゼミや授業、サークル活動などに入り込み、学生との接点をさまざまに確保しようとしているのだ。

 学生に対して求める人材像を具体的に言語化して伝えたり、解像度を上げて説明したりする動きも出てきている。

 例えば「コミュニケーション能力」といった漠然とした表現ではなく、どのような場面でどのようなコミュニケーション能力が必要なのか――営業人材として、活発に話す人がいいのか、会議の場で必要なときに適切な言葉を返せる「空気を読める」人がいいのか――といったことを明確にする企業も増えている。

 さらに、これまで積極的に開示してこなかったネガティブな情報も、あえて伝えようとする動きもある。「最後は“力仕事”になる」「納期の間際には○時間くらい残業が必要」といった、入社後のリアルな状況を事前に説明するのだ。

 以前、ある企業はホームページの社員インタビューに「入社してがっかりしたこと、誤算だったこと」を掲載したこともある。

 とはいえ、そうした企業はまだ少数派で、学生側が自力で企業の求める人物像を見抜くのは難しい。

 服部氏は情報収集に有効ないくつかのヒントを示す。