就職先について、親世代は「仕事内容」
就活生は「給与」を重視
Q5の「就職先で重視すること」も、親子で話しておきたい話題だ(下表参照)。
回答では、親世代が「仕事内容」を最も重視する一方で、子世代は「給与」が最多。「学生は消費者的思考に陥りやすい」(谷出氏)
学校が授業をしてくれるのと同じように、会社も給与や環境を提供してくれるという解釈になりやすいのだ。実態は、学校は授業料に対してサービスを提供する。会社は、従業員が働いて利益を出す代わりに福利厚生を提供する。この道理を親子で話せば、仕事内容や仕事で成果を出すことに子が興味を持つようになるかもしれない。
Q6「新卒で就職した会社でどのくらいの期間勤務するか」の回答(下表参照)では、親子ともに「勤務期間の希望はない」が最多だった。子の回答で2番目に多いのは「4年以上10年未満」。その理由は「就活時点では、30歳前後までならばイメージしやすいからだ」(谷出氏)
昨今、仕事が定型化した大企業を中心に、若手がキャリア形成に対する不安に陥り、早期離職する動きが増えている。彼らはもともと「仕事が続かない世代」なのではなく、入社前後に描いていたイメージとのミスマッチが起きている。企業側が採用活動で実態をうまく伝えられていない側面もある。
Q7「就活に有利だと思うスキルや知識、経験」は、コミュニケーション力や人となりの大切さを体感している親世代の回答が参考になる。また、親が「ICTに関する基礎知識」を重視する一方、ICT活用が当たり前の子世代は、それほどでもない点も注目だ(下表参照)。
ダイヤモンド社「ダイヤモンド・オンライン」ユーザーへの「お子さんの就職に関するアンケート」、ダイヤモンド・ヒューマンリソース「ダイヤモンド就活ナビ」会員への「就職に関するアンケート」(共に2024年9月24日~10月14日実施)より。就活生の子がいる親(保護者)世代と、大学1年生から大学院2年生の子(就活生)世代が対象
【回答者属性】
● 親世代
有効回答数:155件(男性=80.6%、女性=15.5%、未回答=3.9%)。
年代:30代=0.6%、40代=18.1%、50代=56.8%、60代=22.6%、70代=1.9%
● 子世代
有効回答数:157件(男性=44.6%、女性=52.9%、未回答=2.5%)。
学年:大学1年=1.3%、2年=3.8%、3年=33.1%、4年=40.8%、大学5年=1.3%、大学院1年=10.8%、大学院2年=8.9%
(アンケートの続きは12月27日に公開する予定です)