IT会社ではなく、事業会社のデジタル領域で
働く意味を考える

三菱UFJ信託銀行のDXキーマンが教える、技術よりも大切なスキルとは?予測型AIのモデリングや、データサイエンスを用いた分析、可視化を行う西潟裕介氏(左)と説明を聞く濱口彰浩氏(右) 撮影:編集部

 金融機関に限らず、多くの企業がデジタル領域の人材を求めている。IT技術の専門会社でなく事業会社の場合、新卒採用で求められるのはどんな人材なのか。

 大前提として、技術への興味は大切だ。しかし、それだけに終始すると、事業会社で働く意味が見いだせなくなるだろう。

 同社の「システム・デジタルコース」の新卒採用を担当する濱口彰浩氏は「技術はあくまでツールであり、それを使って何を達成するかが重要。ビジネスの目標を理解し、その達成に貢献できる人が求められる。採用の過程でもそこは意識する」と説明。

 三菱UFJ信託銀行では、文系出身者も歓迎しているだけあって、入社後の研修体制も整っている。
新入社員は、まず子会社である三菱UFJトラストシステムに出向し、システム開発や運用の現場を2~3年ほど経験することが一般的だ。ここでシステムに関する深い知識を得たり、現場での課題解決の感覚を養ったりしてから、デジタル戦略部や各事業部門に配属されることが多い。

 金融業界は顧客の安全と信頼を担保するために特有の規制があり、リスクを取りづらい難しさがあるものの「だからこそやりがいは大きい」(西潟氏)という側面も。

 常に新しい技術に対して興味を持ち、まずは手を動かして試してみるのが好きな人は活躍しやすいだろう。デジタル技術を通じて、金融業界に革新をもたらすことに魅力を感じる人にもおすすめの仕事だ。