事業の「選択と集中」が順調に進むNEC。就任から間もなく丸4年を迎える森田隆之社長のバトンを誰が受け取るのかという話題で社内は持ち切りになっている。関係者によると、これまで本命とされていた次期社長候補に強力な対抗馬が台頭してきたことで出世レースは俄然盛り上がってきたという。連載『人事コンフィデンシャル』の本稿では、NEC次期社長人事を大予想する。(ダイヤモンド編集部 今枝翔太郎)
デジタル事業への転換が進むNEC
立役者の森田社長は“任期満了”間近?
「選択と集中」を進める国内電機大手の中で、NECはシフトチェンジが順調に進んでいる会社の一つだ。
NECは、2021年に就任した森田隆之社長の指揮の下、連結子会社だった日本航空電子工業の株式売却や、51%を出資するNECネッツエスアイへのTOB(株式公開買い付け)、DXブランド「BluStellar(ブルーステラ)」の発表など、注力領域への集中投入を行ってきた。
25年度までの中期経営計画では、25年度で売上高3兆5000億円、調整後営業利益で3000億円の目標を掲げる。24年度は、売上高3兆3700億円、調整後営業利益2550億円を見込む。中計目標にはまだ及ばないものの、21年度以降の成長率を踏まえれば25年度の目標達成も不可能ではない。
となると、誰が次の中期経営計画を立て、指揮を執っていくのかが気になるところだ。就任から丸4年がたとうとしている森田社長は、今年度いっぱいか、遅くとも25年度で退任するとみられる。
これまでNECの次期社長候補は「大本命」の独走とみられていたが、今年に入り状況が一変。「意外な対抗馬」が頭角を現してきた。「森田イズム」を引き継ぐのは、いったい誰だろうか。
次ページでは、NEC次期社長候補を列挙するとともに、本命候補を追い上げる対抗馬の役員を明らかにする。