Photo by Masataka Tsuchimoto
国内製薬の王者、武田薬品工業。2026年6月に控える社長CEO(最高経営責任者)交代の裏で、組織や経営幹部の人事に大なたが振るわれることが、ダイヤモンド編集部の取材で明らかとなった。注目ポイントは執行役員クラスでかつ生え抜きの日本ビジネス部門トップの行方だ。連載『人事コンフィデンシャル』の本稿では、一足先に判明した衝撃の経営幹部人事を詳報し、新体制の全容も明らかにする。(ダイヤモンド編集部 土本匡孝)
輝かしいプレジデントの経歴
対照的に日本の存在感は低下
国内製薬トップの武田薬品工業において、1月末から2月上旬にかけて発表される経営幹部の人事は、もはや恒例行事を超えた注目を集める関心事となっている。
振り返れば2024年は、金融機関などを経て入社した古田未来乃氏が、コスタ・サルウコス氏(現田辺ファーマ会長)に代わって取締役CFO(最高財務責任者)に就くことが明らかになった。この時点では古田氏が次期社長レースで有力候補とみられており、業界内では古田氏がポスト・ウェバー氏へとまた一歩近づいたと受け止められた。
続く25年には、15年から10年以上にわたり君臨したクリストフ・ウェバー社長CEO(最高経営責任者)が、26年6月の定時株主総会をもって退任し、ジュリー・キム氏(現グローバルポートフォリオディビジョン インテリムヘッド)にその職を譲ることが発表された。前出の古田氏など日本人ではなく、2代続けて外国人が日本のレガシー企業をリードすることになったのである。
となれば、26年の経営幹部人事は、新社長CEOに就任するキム氏の新体制とほぼ同義である。キム氏の経営方針が色濃く反映された人事とみていいだろう。
そうした中、社内外の事情通が固唾をのんで注視していたのは、執行役員クラスを意味する「タケダ・エグゼクティブ・チーム(TET)」メンバーの宮柱明日香氏(46歳)を巡る人事だ。
現在17人のTETメンバーのうち、日本人はわずか4人。その中で、生え抜きは宮柱氏ただ1人である。すっかり“米国企業化”した武田薬品にあって宮柱氏の存在は、古参のOB・OGにとって「いちるの望み」といえるものだ。
宮柱氏は、国内の主要事業部門であるジャパン ファーマ ビジネスユニット(JPBU)のプレジデントを24年から務め、25年からは大手製薬会社の社長らが役員を務める業界団体「日本製薬工業協会(製薬協)」会長に最年少かつ初の女性として就任するなど、そのキャリアは輝かしい。
だが、その輝かしさとは裏腹に、日本の売上高は10%前後に低下しており、武田薬品における日本事業の存在感は薄れてしまっている。ゆえに、JPBUおよびJPBUプレジデントの扱いがどうなるのかが近年の関心事となっていた。直言すると、一部の関係者からすれば「心配事」となっていた。
次ページでは、ダイヤモンド編集部の取材で一足先に判明した衝撃の今春の経営幹部人事を詳報する。併せて、新体制の全容についてもレポートする。







